【展示会レビュー】SOTO(ソト) 2022年新商品内覧会

【展示会レビュー】SOTO(ソト) 2022年新商品内覧会

新富士バーナーが提供するSOTO(ソト)の2022年新商品内覧会が2021年10月に開催されました。既に新商品の概要は発表されていますが、実際に各商品を手にとって見ることができる貴重な機会でした。詳細をレビューします。

アイキャッチ画像出典: SOTO

SOTOの2022年新商品

既に新商品の特徴や発売情報はこちらの記事でまとめております。

SOTO(ソト)2022年新商品10アイテム

新富士バーナーが展開するブランドSOTO(ソト)から2022年の新商品が発表されました。バーナー類の既存モデルのアップデートだけでなく、グリルやホットサンドメーカーなど全く新しい商品も登場しています。詳細をレビューします。

campreview.jp
2021.10.26

今回の記事では、内覧会にて直接説明を受けて製品を手にとってみた内容を中心にご紹介します。

※本記事内で紹介する製品はいずれも試作段階のものであり、発売時にはデザインや仕様が一部変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。

レギュレーターストーブはユーザーの声を受けて進化

既に人気シングルバーナーとして不動の地位を築いているSOTOのレギュレーターストーブですが、2022年の新商品として登場する「レギュレーターストーブRange ST-340」は、ユーザーの声を受けて進化した兄弟機となります。

火口が大きくなりより広範囲に加熱できる

写真左側が今回の新商品ST-340、右側が既存製品ST-310です。バーナーパットを載せて火をつけてもらったので炎の広がり方が非常にわかりやすくなっています。ST-340がより広範囲に円状に炎が広がっているのに対し、ST-310は小さい範囲で中央部中心に炎が広がっています。

ただしこの炎の広がり方で全面的にST-340が優っているかというとそういうことではなく、ST-340は火力の強い調理を大きな調理器具で使うようなデュオキャンプ向き、ST-310はシェラカップなど小さな調理器具を使い、それほど高火力を必要としないソロキャンプ向きという位置付けだそうです。そのため両製品は今後も併売されます。

ゴトクがステンレス製になり火傷を防止

ST-340の変更点としてはゴトクがステンレス製になった点です。ST-310のゴトクはスチール製で、火をつけた後に熱くなりやすく、点火や消火の際にゴトクに触れてしまい火傷をしてしまうという声を受けての改良とのこと。

点火アシストレバーを標準搭載しオプションの買い足しが不要に

ST-310を使っている方のほとんどが点火アシストレバーを使われていると思いますが、とうとう標準オプションとなりました。点火レバーが奥まった位置にありアシストレバーがないと点火させづらいという課題がこれで解消されます。

おいしくお肉を焼きたいという思いから生まれたミニマルグリル

おいしくお肉を焼くためにたどり着いた鋳造鉄板

ミニマルワークトップの上でおししくお肉を焼くために開発されたというミニマルグリルです。鋳造鉄板は厚さが8mmあり蓄熱性が高く、熱が均等に伝わるためお肉がおいしく焼けるとのこと。

ホルダーで鋳造鉄板をミニマルワークトップ上に置くのですが、鉄板の高さはゴトクから少し離れた絶妙な距離感となっており、火加減の調整がしやすいように設計されています。

■鉄板の扱いやすさも追求

お肉をおいしく焼くだけでなく、鉄板としての扱いやすさについても工夫が施されています。鋳造鉄板の表面には細かい縞模様の凹凸があり、食材がひっつきにくく油分が密着しやすいため、中性洗剤で洗ってもシーズニングが剥がれにくいとのこと。

また、ホルダーはミニマルワークトップにかっちりはまる構造になっており、重い鉄板の上で食材を裏返したり、調理後にヘラでこびりつきを取ってもガタガタぐらつかないようになっていました。

油垂れを防ぐ工夫も

鋳造鉄板が完全にフラットな形状であるため、製品化に向けての課題としては、油がホルダーを伝ってバーナーのゴトク部分まで垂れてしまう恐れがあるとのことでした。この問題を解消するため、製品版では油受けが追加され、この問題を軽減するとのことです。

数多の試作品を経て出来上がったミニマルホットサンドメーカー

持ち運びの煩わしさを解消する折りたたみ式

ミニマルホットサンドメーカーが画期的だと感じた一番の点はこの折りたたみ式のハンドルです。ホットサンドメーカーには、そもそもハンドルが外せないものも多いですし、外せるものでもねじ式でケースに入れているうちに穴を開けてしまったり、ケースから飛び出してどこかにいってしまうという使いにくさがありました。

ミニマルホットサンドメーカーはハンドル部分が本体側に折りたためる構造になっており、収納時のハンドル煩わしい問題を解消してくれます

バーナーにしっくり置ける細部へのこだわり

本体の素材はアルミダイキャスト製とのことで、焚き火にかけることはできないそうです。本体の形状にはかなり拘られており、四隅にある凸の位置をバーナーに載せた際にぐらつかないよう、細かな調整を行っているとのことでした。

ホットサンドメーカーを開いた際にも本体が安定する工夫も施されています。ハンドルが卓上に接地してホットサンドメーカーの重みでひっくり返ることがないような構造になっています。

試作を繰り返し最高のホットサンドメーカーに

展示されていたホットサンドメーカーは試作段階のもので、4号機まで作成しているとのことでした。ここからさらに発売に向け製品改良されるとのことです。言ってしまえばただ単にパンを焼く機械なのですが、何度も試行錯誤を繰り返し、どのような形状にすれば使いやすくおいしいホットサンドメーカーができるかという思いが込められていると感じました。

軽量さに驚くエアロボトル

チタン製で超軽量

製品写真と実物で大きく印象が異なったのがこのエアロボトルです。真空ボトルといえばステンレス製の製品が一般的ですが、エアロボトルではチタン素材を使っているため、とても軽量です。

手に持つと「こんなに軽いのか!」と思うほどでした。200mlで約126g、300mlで約151gなのでスペックからもその軽さは明らかなのですが、毎日ボトルを持ち歩く方には特におすすめです。

※ボトルの蓋は3Dプリンタで作成した試作段階ものです。

Hinotoもユーザーの声を受けオプションを充実化

ケースは付属品に

現在販売されているHinotoにはホヤカバーと、ガス管部分を保護するスペーサーが付属していますが、それらを使っているうちになくしてしまったり、強い衝撃を与えてしまい壊してしまうということがあったため、2022年の新商品からはHinotoにあらかじめケースが付属することになります。

ケース外箱はメガネケースなどにも使われるEVA素材となっており、実際に触ってみた感覚でも頑丈そうで、ギアケースに放り込んでも安心して持ち運べそうでした。

※ケースは3Dプリンタで作成した試作段階ものです。

別売りのスタビライザーで安定感も向上

Hinoto単体では卓上で使った時に倒れてしまいそうで不安という声を受けて登場するスタビライザーです。スタビライザーにより3点でHinotoを支えることになるため、風が強いときや、誤ってHinotoに触れてしまった場合でも、そう簡単に倒れないようになります。

スタビライザーは3本の脚をコンパクトに折りたたんで収納できるような構造になっているため、組み立てた後にほんの少しだけ斜めになってしまうということでしたが、私の肉眼では斜め具合がわかりませんでした。それくらい僅かな傾斜です。

まとめ

SOTOの新製品内覧会は説明をしていただける開発担当者の方の熱量がとても高いことが印象的で、本気でものづくりをされていることが伝わってきました。また、製品の良い点だけでなく、発売に向けて改良が必要な点も合わせて説明をしてくれるので、製品開発において何が課題なのか、どこに拘られているのかが非常にわかりやすかったです。気になる方はぜひチェックしてみてください。


取材協力:新富士バーナー株式会社

取材ライター:キャンプレビュー
JAC公認オートキャンプインストラクタ-の管理者が運営するキャンプ、アウトドア関連の総合ブログメディア。キャンプグッズ、キャンプ場、キャンプ料理など、様々な情報を毎日更新中。
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