白書未掲載データで深掘る:同行者別のリアル
日本オートキャンプ協会が毎年発行している「オートキャンプ白書」。
7月18日に発行した2025年版でも多くの最新データが掲載されていますが、実は白書には掲載されていない調査データも存在します。
本記事では、その未掲載データをもとに「キャンプ同行者別」の傾向を深掘り。
夫婦だけ、子供連れ、三世代、グループ、ソロなど、多様なスタイルごとにどの地域が多いのか。世帯年収別にどのスタイルが多いのか、スタイル別にどの年代層が多いのかを可視化しました。
白書では語られない“裏側の数字”から、日本のオートキャンプの今をひもといていきます。お手元に白書をお持ちの方は、ぜひご用意してご覧ください。(オートキャンプ白書2025該当箇所:7~14ページ)昨年のアンケートにご協力いただいた会員様には最新刊を発送させていただいております。
1|エリア別・人気のスタイルTOP3
夫婦だけ、子供連れ、三世代、グループ、ソロ――
まずは、エリア別で人気のスタイルTOP3をまとめました。
今回ご紹介するのは、白書には掲載されていないデータをもとにしたメルマガ読者限定の特別コンテンツです。
ブロック別・人気の同行者スタイル TOP3
※ 各ブロック内の構成比(%)。「その他/無回答」は除外。
北海道
東北
関東
北陸・甲信越
東海
近畿
中国・四国
九州
※ 値は四捨五入のため合計100%とわずかにずれる場合があります。
📊 ブロック別データから見える傾向と示唆
今回のブロック別分析では、全国的に「子供連れ」スタイルが最も多いという傾向が明確に表れました。キャンプがファミリー層の定番レジャーとして広く根付いていることがうかがえます。
一方で、東北・北陸・近畿などでは「ソロ」スタイルがTOP3に入り、単独で楽しむ需要も一定数存在していることが確認できます。さらに、「夫婦だけ」スタイルはほぼ全地域で2位前後に位置しており、子育て世代に限らず幅広い層がキャンプを楽しんでいる様子が見えてきます。
これらの結果から、ファミリー層を主軸にしつつ、ソロや夫婦層へのアプローチも有効であると考えられます。地域によって利用スタイルの特徴が異なる点は、プロモーション戦略を立てる上での重要な示唆となります。
また、日本オートキャンプ協会では、こうした多様な利用シーンを踏まえたサンプリング事業も展開しています。
実際のキャンプ場での体験を通じて製品を届けられる仕組みは、今回のデータで見えた「利用者層の特徴」を活かしたプロモーションにもつながります。
マーケティングや新商品の認知拡大をお考えの企業様にとって、有効な手段となり得ます。
2|同行者別の年齢層
キャンプに出かける人の年齢層は、同行する相手によって少しずつ傾向が違っているようです。
夫婦だけで楽しむキャンプ、子どもと一緒に行くキャンプ、友人や仲間とワイワイ過ごすキャンプ――それぞれのスタイルごとに、どんな世代が多いのかを見てみると、また新しい発見がありました。
ここからは、スタイル別にキャンプを楽しんでいる人の年齢分布をデータで可視化しています。数字を追いながら、自分のキャンプスタイルと重ねて見ていただくと面白いかもしれません。
夫婦だけ|年齢構成
平均年齢:52.6歳50代を中心に幅広い世代が楽しんでおり、落ち着いたキャンプスタイルが多い傾向です。
子供連れ|年齢構成
平均年齢:43.2歳30~40代の親世代が中心で、子どもと一緒に自然体験を重視する家族キャンプが主流です。
親や孫と(3世代)|年齢構成
平均年齢:46.6歳30代から60代までバランスよく分布し、家族全員で楽しむ「世代を超えたレジャー」として定着しています。
他の家族と|年齢構成
平均年齢:44.1歳40代を軸にした構成が目立ち、同年代同士の交流やグループキャンプが多いことが分かります。
男性グループ|年齢構成
平均年齢:40.5歳20~30代に多く、アクティブで趣味性の強いキャンプを楽しむ傾向が見られます。
女性グループ|年齢構成
平均年齢:40.2歳20~30代の比率が高く、気軽でおしゃれなキャンプを楽しむスタイルが支持されています。
男女グループ|年齢構成
平均年齢:38.7歳20~30代が中心で、仲間とのレジャーとしてアウトドアを楽しむ若い層の参加が多いです。
ソロキャンプ(1人)|年齢構成
平均年齢:48.0歳40~50代の割合が高く、自分の時間を大切にする落ち着いたキャンプスタイルが広がっています。
👥 同行者別の年齢層まとめ
今回のデータを見ていくと、同行者のスタイルごとに年齢層の特徴が浮かび上がってきました。
夫婦だけのキャンプは50代以上が多く、落ち着いた時間を楽しむ姿が目立ちます。
子ども連れでは30〜40代が中心で、まさに子育て世代がキャンプを生活の一部として取り入れていることが伝わります。
グループキャンプでは20〜30代が割合を占め、仲間同士でアクティブに楽しむスタイルが見えてきます。
そしてソロキャンプは幅広い世代に広がっており、「自分のペースで自然を楽しみたい」という気持ちが世代を問わず支持されているようです。
こうして見ると、年齢ごとにキャンプの楽しみ方や同行者のスタイルがリンクしている様子が感じられます。
3|年収別で人気のスタイルTOP3
世帯年収別・人気の同行者スタイル TOP3
各年収帯の構成比(%)。「その他・無回答」を除外。四捨五入により合計100%とわずかにずれる場合があります。
世帯年収ごとの傾向を見ていくと、収入が高くなるにつれて「子供連れ」でキャンプを楽しむ割合が大きくなる様子がうかがえます。600万円台では半数を超え、700万円台ではおよそ3人に2人が「子供連れ」と答えており、ファミリーキャンプの広がりが感じられます。
一方で、400万円未満の層では「ソロ」の割合が比較的高く、約3割近くを占めていました。個人で楽しむスタイルが目立つのが特徴です。「夫婦だけ」はどの年収帯でも2位前後に入り、安定して選ばれているスタイルといえそうです。さらに、「他の家族と」のスタイルは600万円台以上の層で上位に入りやすく、家族ぐるみの交流やアウトドアが増えている様子もうかがえます。
まとめ_👥 同行者・年齢層からひも解くキャンプの現在地
今回の分析では、同行者のスタイルごとに「どのエリアでキャンプが多いのか」、そして「どの年齢層が中心なのか」を見てきました。
そこから浮かんでくるのは、自然環境の豊かさやアクセスの良さが選ばれるエリアを形づくり、ライフステージによってキャンプのスタイルが変わっていくという傾向です。
夫婦やソロでは自然の静けさを求めて北海道や長野が選ばれ、子ども連れやグループではアクセスの良い静岡・千葉・山梨といった県が目立ちました。年齢層では、子育て世代がファミリーキャンプを牽引し、若い世代がグループキャンプを楽しみ、ベテラン世代が夫婦やソロでゆったりと自然に向き合う姿が見えてきます。
こうしてデータを紐解いてみると、キャンプは単なるレジャーにとどまらず、ライフステージや同行者との関係性が反映される市場であることがうかがえます。業界に関わる方々にとっても、こうした視点がマーケットの把握や今後の企画の一助となれば幸いです。
また、日本オートキャンプ協会では、こうしたキャンプの多様な利用シーンを踏まえた サンプリング事業 も展開しています。実際のキャンプ場での体験を通じて製品を届けられる仕組みは、データで見えた「利用者層の特徴」を踏まえたプロモーションにもつながります。
ご関心のある方は、お気軽に協会までお問い合わせください。