高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者から、アウトドア部の活動の様子を報告いただいた。いよいよ新学期を迎え、アウトドア部はさらに活気づいて様々な活動に取り組んでいる。今回は、3年目となるJAC近畿の集いに参加した。イベント初参加の1年生、慣れてきた2年生、そして驚異の関西3年連続となる3年生に、それぞれ思いの丈を綴ってもらった。
以下、顧問の先生よりコメント
私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生11名、高校2年生17名、高校3年生18名の計45名で活動している。本年度、アウトドア部では11人の1年生を迎え、新体制での活動を開始した。相変わらず個性の強いメンバーが揃い踏みで、どんな活動ができるのか今から楽しみである。
さて、アウトドア部では、全国各地の日本オートキャンプ協会の各支部が主催するイベントに参加しているが、今回は大阪オートキャンプ協会の主催するJAC近畿の集いに参加した。昨年は神戸市しあわせの村で実施され、その際に「もう少し関東に近いといいんですけどもね~」という顧問の希望を叶えてくれた結果である。本当にありがとうございます。
今回のイベントでは、様々な催しが盛りだくさんで、毎回恒例の抽選会やMVCなども行われた。初参加の1年生女子部員2名が非常によく頑張ってくれた。これから様々なイベントで中核となる1年生には、多くのことを学んで、部を牽引していく存在になってもらいたいと願うばかりである。
生徒たちからのコメント
3年目のJAC近畿の集い!
部長:中村蓮音
副部長:石若和裕 堀口大喜
私たちは2025年の第11回JAC近畿の集いで、岐阜県関ヶ原町にあるグリーンウッド関ヶ原キャンプ場に行ってきました。2年前の福井県・赤礁崎、1年前の兵庫県・しあわせの村に続き、3年連続の近畿の集いへの参加になります。
キャンプ場に到着したあとの設営のときには、部活のテントや2年生2人が各自で持ってきたソロテントの他にも、muraco様から提供していただいたテントを2張設営しました。
このテントを設営するのは初めてだったので少し苦戦しましたが、最終的に上手く設営することができました。
これからも様々な場面でこのテントを使っていこうと思います!




そのあとは少し休憩してから、メンバーを3つのグループに分け、それぞれたこ焼き作りの手伝い担当、抽選会担当、MVC(Most Valuable Camper)という表彰の担当に割り振って、別々に作業を行いました。
まず、たこ焼き作りの手伝い担当のメンバーは、2年生の4人で行いました。たこ焼きは本場である大阪からいらした方々に教えていただきました。

私たちの仕事は、たこ焼き器でたこ焼きを作り、来てくださった方々に提供することです。最初は、大阪からいらっしゃった方々に生地を作っていただきました。

たこ焼きを作り始めた時は難しく、助けてもらうことも多かったのですが、段々と上達していきました。たこ焼きをひっくり返す時は、思っている以上に思い切って良いといった、様々なアドバイスを教えていただきました。

たこ焼きは作ったばかりなのでとても熱く、食べるときに口の中が火傷してしまいそうになりました。食べてみるととても美味しく、上手く仕上げることができたので嬉しかったです。
やればやるほど慣れて、盛り付ける時の量はもう感覚になっていました。このたこ焼きは、文化祭でも露店として出店予定なので、ぜひみなさんお楽しみに!

抽選会担当のメンバーは、シートの上に抽選で当たる商品を並べたあと、抽選会の司会を行いました。






商品を番号順に紹介し、各キャンパーさんの名前が書かれたくじの入った箱からくじを引き、当たった商品を手渡したあとに、キャンパーさんが商品を持った写真を撮影しました。
また、アウトドア部からも、muraco様から提供いただいたテントを抽選会の景品として出品させていただきました。

次回のジャパンキャンピングラリーでも、また新たな商品をご提供させていただく予定で、今後の活動も頑張ります。
MVCの表彰の担当のメンバーは、個性豊かなキャンパーの皆さんにインタビューをしてきました。インタビューでは、キャンパーさんのお名前と出身地、キャンプでこだわっているところ、お気に入りのキャンプギアなどを伺いました。
最初に、大阪から東京から来られた山本さんという方のサイトに伺いました。そこでは、3分で設営できるエアーテントがおしゃれだったことが印象に残りました。

その他のサイトでも、スモアを提供していて「てつ」と入っているロゴが印象的だった方や、椎茸と煎餅を一から焼いて提供していた方など、多くの素敵なキャンパーの皆さんにお話を伺うことができました。また、多くの方にとても便利なキャンプギアを見せていただき、家族や部活でも買って使いたいなと思いました。

どのキャンパーさんも素晴らしく、とても迷ったのですが、表彰ということもあり、最終的に一人の方に決定させていただきました。私たちは、大阪から来られた山本さんをMVCに選びました。

選んだ決め手は、火起こし器兼火消し壺を見せていただいたことと、テントの色と車の色が統一されていて、とても良いなと思ったからです。特に火起こし器兼火消し壺がすごく便利で、良い道具だと感じました。
その壺はバケツ型になっていて、灰などの燃えかすと炭が別々になり、余った炭はまた再利用できるため、環境にも優しく、灰だけ捨てることができて、家に持ち帰らずに済み、後処理がとても楽だと感じました。
着火剤に火をつけたあとに炭の入ったバケツを上から被せて炭を燃やす構造になっていて、風防にもなっており、とても便利です。また、キャンプ初心者の方でも簡単に、そして手軽に焚き火を楽しめる、素敵な道具だと思いました。
様々なサイトを見学させていただき、拙いインタビューにも関わらず、参加していただいたキャンパーの皆様には快くご対応いただきました。まだまだ未熟ですが、今回の近畿の集いを通して、この経験を成長の一つとして活かせたら良いなと思います。

それぞれの作業が終わったあとは、参加されたキャンパーの皆さんと一緒に、キャンプ場のフリーサイトの中心に集まって椅子を並べ、焚き火を熾しました。
焼きマシュマロやお菓子を食べながら会話を楽しみ、交流したあとは、焚き火などの片付けをしてすぐに就寝しました。
閉会式では、MVCの表彰者の発表と景品贈呈のほかにも、2023年に福井県おおい町の赤礁崎オートキャンプ場で行われた第9回JAC近畿の集いから3年連続で参加している3年生男子からの挨拶や、顧問の高橋先生からのサプライズ報告などがあり、とても盛り上がって閉会式を終えることができました。
そのあとは、サイトを撤収してキャンパーの皆さんに挨拶をし、キャンプ場を出発しました。
2日目は閉会式のみで、ほかにイベントの予定はなかったため、キャンプ場周辺で少し遊んでから帰ることになりました。
【ちょっとだけ近くの観光名所のご紹介】
「関ヶ原」と聞いて真っ先に思い浮かぶ観光地、関ヶ原古戦場跡を訪れました。そこでは、解説が書かれた看板を読んだり、全員で写真を撮ったり、小高い丘に登って眼下に広がる関ヶ原の景色を眺めたりしました。
実はこの関ヶ原古戦場は、リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」という演説で知られるアメリカ南北戦争のゲティスバーグ古戦場、ナポレオン戦争で英蘭普連合軍がナポレオンを打ち負かしたワーテルロー古戦場とともに、世界三大古戦場の一つに数えられているそうです。



今回の近畿の集いでは、たこ焼き作りやキャンパーの方々へのインタビューなど、様々な経験をさせていただきました。たった2人しかいない1年生を中心に、2年生がたくさんフォローしてくれて、多くのことを学べました。
そして、多くのキャンパーさんとの交流の中で、これからアウトドア部として活動していく上で、ただ自分たちだけが楽しむだけではなく、多くの人と時間を共有し、喜びを分かち合うことができたのは、今後のアウトドア部の活動の根幹にもなると感じています。
1年生の渡辺は、11月に行われる丸広百貨店でのイベントの広報担当、1年生の住吉は、各種部活動体験やオープンキャンパスでの体験会にて、昨年7月から参加しているため、中核となって活動することになります。
また、今回で引退となる3年生も、3年連続で近畿の集いに参加し、多くのことを学び、様々な面で成長することができました。これからも、この経験を様々な場所で活かしていきたいと思います。
【顧問より、お読みいただいている皆様へご報告】
私事になりますが、アウトドア部顧問・髙橋は、2025年5月に入籍いたしました。挙式はせず、入籍のみの予定です。
今後も変わらず、生徒とともに様々なアウトドア活動に精励してまいりますので、引き続きご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上、越生高校アウトドア部の皆様よりのご報告でした。
【編集部から一言】
取材を通して、アウトドア部の皆さんがイベントをただ「楽しむ」だけでなく、そこから学び、次の行動につなげている姿に深く感動しました。
今回の経験が、これからの活動の糧となり、未来のキャンパーたちに受け継がれていくことを願っています。