第95回世界オートキャンプ大会レポート
4月25日から5月5日まで、台湾において新北市にある龍門(ロンメン)キャンプリゾートでキャンプの世界組織FICCの第95回世界オートキャンプ大会が開催された。参加者は25か国から961人。
各国のキャンパーが集まり、毎日催される日帰りツアー「エクスカーション」、毎晩会場の中心となるステージで行われるイベントを観劇しながら、また国毎で主催するパーティーやなどを通じて、日ごとに参加者や運営スタッフとの人と人のつながりが広がっていった。
今回日本からの参加は協会理事4名に加え、2017年ドイツ大会やアジアの大会にも何度も参加している平野夫妻の他、キャンプの大会は初参加ながら、世界各国のツアーに参加してきた、石川さん、KANEKOさんに事務局の私と総勢9名が参加。また会場では台湾と日本を行き来をしている寺本さんご夫妻も加わった。今回はキャンプリゾートでの開催とあり、海外からの参加者は隣接するホテルでの宿泊となった。


大会のメインイベントとなる、入場行進は生憎の雨の中となったが、ホテルから会場まで法被や浴衣、羽織袴と日本の民族衣装に身を包んで入場行進に参加。ロビーで出発を待っている間、ボランティアの高校生は平野夫人が着ていた桜柄の法被に興味津々。平野さんが「かわいい?」と聞くと、女子高校生一同「カワイイ!」と大盛り上がり。すかさず平野さん、一人ずつ法被着せてあげて記念撮影。羽織袴姿のKANEKOさんは日本のアニメ「るろうに剣心」の主人公「剣心」の装い。そのことに気が付いた女子高生は「ケンシン!」と興奮気味。国際交流の舞台がこうして始まった。



こうして始まった「オートキャンプの世界大会」。パーティーやエクスカーションってキャンプとどう関係があるのか。自然や火を楽しむ通常のキャンプとは全く異なる「世界大会のキャンプ」。




毎年各国からこの大会に集まる人達のモチベーションは何なのか。今回初めて世界大会に参加したKANEKOさんは、これまで数十カ国のツアーに参加してきた歴戦の旅行者。参加した人でないとなかなかわからない世界大会の魅力を参加記としてとして寄稿して頂いた。
第95回FICC世界オートキャンプ大会参加記
外国人に声がかけられない!
オートキャンパー歴1年未満の私は、初めてFICC台湾世界大会に5泊6日で参加した。JACからの参加者は9人。うち5人はJACを運営している中心メンバーで、一般老人ピーポーは私含めて4人だけ。添乗員はいない。予めそう聞いていたものの、飛行機やホテル手配など全てJAC任せで、費用を振り込んだだけの私は「お客様」でいられる根拠ない期待は隠し持っていた。
大会会場に着くとJAC中心メンバーは他国の中心メンバーや台湾の主催側と、ひっきりなしに挨拶を交わしている。和やかな笑顔の応対には深い信頼関係を窺わせる。ついさっきまで雑談の相手をしてくれていた彼らが、ニュースやドラマでしか見た事がない外交をこなしている。私はそれがテレビの映像ではなく、その場に「お客様ではない」自分達が居合わせているのを自覚し始める。その雰囲気に馴染めない若干の疎外感を感じながらも、遠くヨーロッパから来た方々や、台湾のボランティアスタッフが、フレンドリーな笑顔と態度で接してくれる。それを受け入れて私もすぐに打ち解けた…などということは残念ながら断固として無理だった。引きつりながらも努力して口角を上げていたその口から、外国人に向けて音声が絞り出されるのにはさらに数日を要した。(次号に続く)