
日本のキャンピングカー市場は2024年も堅調な成長を続け、売上高は過去最高を記録しました。市場の特徴として、ベース車両不足による生産台数の初めての減少にもかかわらず売上高は増加し、中古車市場が前年比180%と大きく成長しています。製品構成ではバンコン(バンコンバージョン)が全体の約67%を占める主力となっており、50~60代の夫婦が中心ユーザーである一方、コンパクトモデルの普及により都市部での需要も拡大しています。利用状況については、多くのオーナーが月1~2回の頻度で利用し、滞在日数も一般旅行より長い傾向が見られます。
以下、これらの動向を数字とグラフで詳しく分析していきます。
データで見る2024年国内キャンピングカー市場動向の抜粋
当レポートは日本RV協会会員のキャンピングカーメーカーおよび販社と全国のキャンピングカーユーザー約1,500名を対象に実施したアンケート結果に基づいた報告書を日本オートキャンプ協会事務局編集部が抜粋し当協会会員向けにまとめたものです。
市場概況
業界総売上
キャンピングカーと関連アイテムの2024年度の合計売上高
エンドユーザー向け売上内訳
キャンピングカー販売: 1,126.5億円 (前年比107%)
キャンピングカー用品: 60.6億円 (前年比126%)
エンドユーザー向けキャンピングカー販売推移
2020年からの市場回復傾向が続き、2024年には過去最高の売上を記録
生産・販売状況
総生産台数
前年比: 95% (初めての減少)
※ベース車両の供給不足による影響
エンドユーザーへの販売台数
前年比: 118%
※中古車市場の活性化が貢献
車種別生産構成比 (2024年)
ユーザー特性
地域分布
地域 | 割合 |
---|---|
関東 | 34.6% |
東海 | 19.3% |
関西 | 19.0% |
九州・沖縄 | 7.0% |
その他地域 | 20.1% |
年齢・家族構成
主要年齢層: 50~60代 (全体の76.5%)
主な家族構成:
- 夫婦: 54.8%
- 親子: 27.1%
- その他: 18.1%
年齢別オーナー分布
利用動向
利用頻度
- 月1~2回: 44.5%
- 日々の生活に利用: 29.8%
- 半年に1~2回: 13.2%
- 週に1~2回: 12.5%
旅行日数
- 2泊3日: 40.5%
- 1泊2日: 29.0%
- 3泊4日~5泊6日: 20.2%
- 1週間以上: 5.3%
- その他: 5.0%
平均宿泊日数: 一般旅行の1.66泊より長い
キャンピングカー旅行の支出分布
保有台数の推移
2024年の国内キャンピングカー保有台数(2005年の5万台から3.3倍に増加)
年間約1万台のペースで増加傾向が続いており、中古車市場も活発化している。
キャンピングカー保有台数の推移(万台)
2016年に10万台を突破し、2024年には16.5万台に到達
まとめと今後の展望
日本のキャンピングカー市場は堅調な成長を続けており、2024年も売上高は過去最高を記録しました。
特に注目すべき点は以下の通りです:
- 売上高は前年比で増加したが、ベース車両不足の影響で生産台数は初めて減少
- 中古車市場が活性化し、前年比180%の成長
- バンコン(バンコンバージョン)が生産台数の約67%を占める主力製品
- ユーザーの中心は50~60代の夫婦だが、コンパクトモデルの増加により都市部のユーザーも増加傾向
- キャンピングカーは多くのオーナーが月1~2回の頻度で利用し、滞在日数は一般旅行より長い傾向
今後は自動車産業全体の供給状況が改善されれば、さらなる市場拡大が期待されそうです。
また、若年層への普及やコンパクトモデルの需要増加も今後の成長ポイントとなるでしょう。
出典: 日本RV協会「Annual Report 2024」より引用・作成