JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告
-女子会編-
高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。今回は、通算3回目となる「女子会キャンプ」。このキャンプは、アウトドア部として、また、総合的な探究の時間における取り組みの一環として行った。まだまだ粗削りな部分もある取り組みだが、生徒も工夫を凝らして、その後の発表まで行うことができた。こうした「探究キャンプ」については今回が初めてだが、部活動の活動に新たな着眼点をもたらすものとして、今後も継続して取り組みたいテーマの1つである。
私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生16名、高校2年生18名の計34名で活動している。5月GW明けをもって3年生3名は受験のため一旦部活を離れ、新体制での活動となった。1,2年生34名という、部活動の体制としても未知の領域である人数での活動になり、顧問としても新たな挑戦の年となった。
今回は、「総合的な探究の時間」における取り組みの一環としてのキャンプである。キャンプにおいて、地元食材の活用方法について考え、またそれが地域振興につながるかどうかを、キャンプを通して探究した。今回のメンバーの中には、キャンプに全く行かないという生徒も含まれているが、これを機に興味を持ってくれたら嬉しい。学校では、こうした授業を通じて、全く予期せぬところから、「キャンプ」というものへの興味を持ったりすることがあるのがすごいところだ。時間のない中で、生徒もよく頑張って内容をまとめたが、まだまだ内容も粗削りな部分も多い。しかし、週1時間しか設定のない中では、まずまずの出来であろうと思う。
今回のキャンプは、2024年5月に行った「静かなキャンプフィールド」ガールズキャンプインストラクターの渡部典子様( @shizukana.cf )に、この企画全体のプランニングを行っていただきました。日々の活動に感謝し、御礼申し上げます。
また、今回のキャンプおよび探究内容については、2024年11月に、日本薬科大学主催「日薬 ハイスクール 科学・探究発表会」にて発表をしたものである。
オートキャンプにおける地元食材活用による地域振興の可能性
~埼玉県秩父市の味噌豚丼を例にして~
[キャンプ報告]
武蔵越生高等学校 アウトドア部
顧問 髙橋皓正(公認オートキャンプインストラクター)
部長 奥冨碧 織田陽大
11月13〜14日、第三回目となる女子会キャンプを開催しました。
今回のキャンプは平日の放課後と埼玉県民の日を使ったキャンプ。水曜日、授業が終わったあとに車に乗り込み、キャンプ場に向かいました。場所は埼玉県蓮田市にある蓮田裏庭キャンプ場。母屋の古民家のような雰囲気と山の中でキャンプをするような気分を味わえるのが魅力的なキャンプ場です。キャンプ場では前回についでインストラクターをしてくれた、典子さんがアヒージョを作って待っていてくれました。
5月にときがわ町で開催した以来の女子会キャンプ。まずはみんなでキャンプ場を散策。道中、ボランティアさんがつくったという小屋がありました。童謡の中に登場しそうな雰囲気で、一から人の手だけで作ったと聞いてとても驚きました。このキャンプ場は春になると満開の桜を見ることができるそうです。今回行ったのは秋だったので見ることができなかったのですが、満開の桜の中でのキャンプも素敵だな、と思いました。
さて、今回のキャンプ本題の食事です。ただ、学校終わりにやるということで、時短できるところは一気に時短!鍋や餃子の庵には既にカットされてセットになっている野菜を使うなどしたおかげで、一気に時短になりました。それでも品目が多かった(前回の女子会キャンプは、品目が少なかった)ために、今回は時間もかかり調理課程も多く、大変な餃子から作り始めればよかったのですが、鍋から作りはじめてしまい、かなり非効率になってしまいました。作る順番を工夫すればもう少し早く食べ始めることができたと思うので、今回の反省を忘れずに次につなげていけたらと思います。(食事部分については、探究の報告からご覧ください)
ご飯を食べ終わったらすでに20時半をまわっていたので、急いでテントの設営にとりかかりました。暗い中でのテント設営は初めての経験で、ランタンがある中でも見づらく、手間取ってしまいました。
今回、一年生のテントは、初めて立てる新しいテント(BC wide dome/325 ※廃盤品の新品)。9月の文化祭の前に格安で買ったものだそうですが、使うのは今回の女子会キャンプが初めてです。形は今まで使っていたものと似ているのですが、ポールの本数が今までのものよりも多く、かなり戸惑いました。先生に手伝ってもらいながら設営。新しいからか、ポールを曲げるのに力が必要で大変でした。ですが、新しいだけあって、まだきれいなフライシートや歪みのないポールにはテンションが上がりました。先生もテンションが上がっていました(笑)
今までのテント(Coleman tough open 2-room house ※今年で使用から5年目!)は二年生が使いました。二年生の設営は典子さんが手伝ってくれました。地面は岩があってゴツゴツしていたり、硬いところがあったりと、ペグをさすのも大変だったようですが、一年生に比べてスムーズに設営できていた印象です。
設営が終わったら荷物を持って極楽湯上尾店に向かいました。極楽湯上尾店は蓮田裏庭キャンプ場から車で15分くらいのところにある入浴施設。お風呂の種類が豊富で泡風呂や露天風呂もありました。シャワーの数もかなり多く、リラックスすることができました。
お風呂から帰ってすぐに入眠。時間が遅かったのもあってか、前回の女子会と違い、みんな寝袋に入ってからは特に話すこともなく就寝しました。
朝は3時頃ににわとりが鳴き始め、一度起床。昨日、典子さんから「朝早くににわとりの鳴き声で起きちゃうかも」と聞いてはいたのですが、今までにわとりの鳴き声に起こされたことがなかったので、本当ににわとりって朝早くに鳴くんだな、と新たな発見でした。


二日目の朝には典子さんにハンモックに乗せてもらうことができました。今までイベントで同じ部活の仲間がハンモックのコーナーのお手伝いをしているのは見たことあったのですが、実際に自分で乗ってみるのははじめて。ハンモックに対して体を斜めに乗せるといいと教えてもらったので実践。最初はうまく乗れずに辛い体勢になってしまったのですが、慣れてくると程よく揺れるのが心地よく自然とリラックスできるようになりました。




朝ご飯は、昨日夜に残った鍋とインスタントスープ。それと、顧問の先生が、少し前に行ったジャパンキャンピングラリーで貰った干物を焼いてくれたのでみんなで食べました。
やはり、朝はとても冷え込むのであたたかい食べ物と暖をとれる焚き火がうれしかったです。
今回は、私たち1年生が入部してから二度目の女子会キャンプ。
前回と違い、学校が終わったあとのスタートで時間的に余裕もあまりなかったのですが、全員で協力して料理をすることができました。また、普段のキャンプであまり作ることのない種類の料理や品数を作ることができて楽しかったです。
ですが、もう少しだけ手順を工夫して作ることができれば、お風呂や就寝前にもう少しだけ時間的な余裕を持てたと思うので、次回は、作りたいもの全てに必要な時間を考えて、もう少し要領よく作れるようになれたら、と思います。
次の女子会キャンプは来年度。来年の新1年生との女子会キャンプも楽しみです。
ワタナベノリコさんのXにて、今回のキャンプを1分でまとめた動画が公開されています。いつもありがとうございます!2025年のキャンプもよろしくお願いします。
[探究学習報告]
総合的な探究の時間2年
西村・牟田・松浦チーム
今回は、「キャンプにおける地元食材活用による地域振興の可能性」というテーマで探究学習を行いましたが、想像していたよりもとても難しいテーマになってしまいました。調べれば調べるほど様々なデータが出てくること、また、今回は顧問が「オートキャンプ」インストラクターだったことから、調べる対象もオートキャンプ場に限定しましたが、もっと視野を広げて調べた方がよかったこと…など、様々な心残りもあります。
今回は、秩父の豚味噌丼を「キャンプ飯」として作りました(他にも何品か作りましたが、メインはこの料理です)。キャンプ場で土鍋を使って米を炊く、炭火で肉を焼く、など、キャンプ場ならではの(家での調理ではなかなか扱わない)調理工程をふんだんに取り入れ、なるべく食材なども地元の食材を手に入れて、キャンプを行いました。
普段キャンプに行くときには、使う食材はスーパーなどで買ったりしますが、時折先生は道の駅に寄ってはいろいろな野菜を買い込むこともあります。それを何となく思い出しました。2024年の夏に行った千葉県勝浦市でのキャンプでは、「地元の新鮮な魚を食べるキャンプ」だったので、歩いて回れる鮮魚店もたくさん回りました。とりわけ地方では、こうしたレジャーの際に、「その土地ならではの食材や調味料」がたくさんあること、思い起こせば今までもそうした食材を先生が使っていたことに気付き、キャンプ場として、地元の農家などと提携し、そうした食材を活用できるようなバーベキュープランなどを作ることは、間違いなく地域振興に大きな影響を与えることになるかと考えます。私たちはこれからも、一人のキャンパーとして、こうした食材の地産地消も意識しながら、キャンプに行ってみたいと思いました。
今回、2024年11月に日本薬科大学主催「日薬 ハイスクール 科学・探究発表会」にて発表した探究活動のまとめのプレゼンテーションは、以下よりご覧いただけますので、ぜひ見ていただけると幸いです。









