JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告 〜キャンプ場開拓体験編

JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告
〜キャンプ場開拓体験編〜

高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。2023年4月から2024年3月まで、1年間を通して行われた「TENKU CAMP BASE奥武蔵でのキャンプ場開拓体験」、その1年間の締め括りである。そして春休みということで、新高校1年生を交えて行われた。部員も新2年生となり、「ゲスト」としてではなく、「ホスト」側として、気持ちも新たに新学期を迎えてほしいと思う。

私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校2年生20名、高校3年生4名の計24名で活動している。今冬は多忙のため、なかなか記事を出すことができなかったが、2024年の目標は「毎月掲載」を目標に、活動をしたいと考えている。
さて、今回は2023年4月から2024年3月まで、1年間を通して行われた「TENKU CAMP BASE奥武蔵でのキャンプ場開拓体験」、その1年間の締め括りである。そして春休みということで、新高校1年生を交えて行われた。4月6日には入学式が行われ、新高校1年生も入学してきた。これから部活動の仮入部期間が設けられるが、今年はどんな部員が集まるのか、非常に楽しみである。
キャンプ場開拓体験にあたっては、TENKU CAMP BASE奥武蔵オーナーの丹澤邦夫様には、大変なご協力をしていただいた。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。また、引き続きのご理解、ご協力をお願い申し上げます。
また、2023年度はアウトドア部の記事をお読みいただきありがとうございました。読者の皆様におかれましても、2024年度のアウトドア部の活動にもご期待ください。


「楽しんでもらう」を作るのは難しい。

部長 奥冨碧・織田陽大

 私達アウトドア部は今回、新高校1年生の部活動体験も兼ねて、先日から行っていたTENKU CAMP BASE奥武蔵の開拓作業に1泊2日で行ってきました。今回は人数が多かったので2つにグループを分けてハイエースで送迎をすることになりました。1回目はアウトドア部部員3人と、今回参加してくれた新高校1年生5人で行きました。キャンプ場に最後に来たのは2023年秋頃だったので、実際のプレオープンの様子を見て、見違えるようでした。また、自分達が開拓したサイトも使っていただけているようで、嬉しくなりました。その反面、一生懸命植えたクラピアなどは、鹿に食べられたり、厳冬に耐えられなかったりで、結構無くなってしまっていました。また、次に開拓に来た時には植えるのを手伝えたらと思います。(写真は昨年夏に植えた時の様子)

 今回の開拓場所は、道路を挟んだ山の上側のサイト!この更に上の場所で泊まりました。

キャンプ場について最初にしたのは、私達部員の自己紹介と新高校1年生の自己紹介でした。自己紹介が終わるとすぐに開拓作業が始まりました。サイト内の掃き掃除と配線作業の2つにメンバーが分けられて作業が始まりました。部員2人と新高校1年生2人で、サイト内の掃き掃除は枝や落ち葉、根っこを取り除きました。見た目はあまり量があるように見えなくてもいざ作業を始めると全く減ってるように見えないのが気持ち的に辛かったです。開拓体験の良いところは、サイトが完成していく姿を見られることです。自分たちが普段から泊まっているサイトができていくまでを見られるのは、滅多にできることではありません。しかし、実際の作業はというと、辛いこともたくさんあります(笑)

作業中はまずうちの部活のことを紹介したり、新高校一年生の悩みを聞いたりしながらまったり作業をしていました。「うちの部活に入るのはもう確定なの?」と聞いてみると「もう絶対に入ります。」という言葉が返ってきて嬉しい気持ちになってしまいました。そのついでにこの部活にどうして入りたいと思ったのか聞いたりすると、自分とは全く違う理由で入ってきていて驚きました。もう一方の配線作業では、キャンプ場に電気を通す為の配線の絡まりを直す作業をしました。しかし、配線の絡まりが思ったよりも酷く、長さが非常に長いためとても苦戦し、1日ではどうすることも出来ないくらい大変なものだったので、2日目に続きを行うことにしました。

また、1日目の開拓は気温が高かったこともあり、立っているだけでも体力的にキツイものでした。そんな中、新1年生達は懸命に活動していて自分たちも先輩として頑張りを見せなければ、と思いました。1日目の印象としは、みんな仲良く仲間はずれも無く、怪我も無くて、新1年生は初めての活動で主に肉体労働の開拓作業を特に苦もなくこなしてた様な印象でした。逆に楽しいなどの声も聞けて嬉しかったです。これは今後のアウトドアの活動において期待が高まる結果でした。後発隊の部員と先生と合流し山の上のサイトに、今夜自分たちが使う合計4つのテントの設営を行い、私達は疲れた体を労う為に色彩館へ行きました。体に汗や汚れが溜まっていたので体がベタベタしていたので一刻も早く体を清めたい一心でした。温泉に着き、ようやく体を洗え、湯船に浸かりました。人が少なかったので湯船を独占できたような気分に浸れました。

この温泉は疲れた体によく染みわたりました。そして露天風呂もついており星空を眺めながら開放感のある空間を独占でき、身も心も洗われるように感じました。残念ながらサウナは入れませんでしたが、一日の疲れを取ることができました。

キャンプ場に戻り、いよいよ夕食。まず最初は、各自が持ってきたご飯に必要なお湯を沸かしつつ、自己紹介をし始めました。印象に残ったことはみんなの趣味の話です。スキーやスノーボードが得意な子、映画鑑賞や読書といったインドア系の趣味の人、中には化石採掘が好きという子もいました。僕は恐竜は好きだけれど化石採掘は考えたことがなかったので驚きました。

自己紹介をしているうちにお湯が沸きあがり、自分で買ったカップ焼きそばや、部活にあるカップラーメン、先生が買ってきてくれた焼き鳥100本とフランクフルトを食べていきました。ある程度時間が経ったら、メンバー全員で、誕生日順に席替えをしました。そして焚き火を囲みながら新一年生といろんな話をしました。好きなゲームのことや中学校での部活、第2回目の送迎できた部員たちは話せなかった子とも話せたのでよかったと思いました。そして自分の持ってきたものが食べ終わった頃に待ちわびたように猛者が現れました。実は今回の夕食は夕食は「食べたいものは自由に持ってきていい」ということだったので、各々自由に持ってきたわけなんですが、なんと牛タン1本を持ってきた人がいました。嬉しいハプニングでみんな困惑しつつも美味しく喰らいつきました。最後の後片付けも中学生に片付ける場所を教えながら行ったが意外とスムーズに片付けることができました。

パプニングが起きつつも、全体的に部員が主軸となってを流れを作れたので良かったです。こうして私達のキャンプもあっという間に1日目が終わってしまいました。夜はTENKU CAMP BASE奥武蔵の、最も見どころポイントでもあるこの夜景を望むことができました。関東平野を見渡すことができるこのスポットは、埼玉県の中にはなかなかない場所です。しかもありがたいことに、今回私たちが泊まったのは、(団体であることを配慮していただき、プレオープン中のサイトから最も離れた)開拓中の山の上のサイトだったので、その景色の良さは言うまでもありません。

朝起きたら雲海と日の出が絶景でとても感動しました。後で管理人さんに聞いてみたら今までの中で一番の雲海だとおっしゃっていて、これから始まる新たな生活を祝福してくれているのだと言わんばかりの景色でした。

朝ご飯はカップスープやパン、ハッシュドポテトやフランクフルト、などを食べてエネルギー補給をしました。朝食を食べ終えた後は片付けをある程度終わらせ、次は開拓作業に入りました。作業は前日に終わらせられなかった電線の配線作業でした。前日と違い2日目は人数も多かったので、作業は頭を使って話し合いながら、なんとか終わらせることができました。作業は1時間少々で終わり、人での多さに救われた2日目の作業でした。

その後はまた二手に分かれ、前回のサイトの片付けや杭にするための丸太運びをおこないました。それらの作業を終えるとそのタイミングで新高校一年生は先に帰宅しました。その送迎中にテントの回収と帰りの支度をしました。余った最後の時間で大量の割りをしました。針葉樹の薪だったのでとても硬かったです。1個1個割るのに苦労しました。

いよいよ私たちも2年生に進級します。
新1年生の体験会だったのに、途中で少し本部員だけで盛り上がりすぎたかな、と思いました。特に夜や朝といった時間には、最も周りを見なければいけない部長に乗せられて、まわりの部員も同調して盛り上がってしまったことについては、先生にもあとで注意をされてしまいました。ただ、それはもっともなことで、夏から5回にわたって部活動体験会を実施してきました。この目的は、参加してくれた中学生に、アウトドア部がどんなところなのかを「体験してもらう」ことが主たる目的なので、自分達だけで楽しんでは全く意味がありません。来てくれた人たちに、最大限楽しんでもらうことが、「迎え入れる側」のやることとして最も大切なことで、今回、そのマインドが欠けていたことは言うまでもありません。新1年生の体験会なので、みんなでできる、仲良くなれる企画を行ったりすることで、場の雰囲気を作れたらいいなと感じました。また、片付けやテントを張る時に、新1年生たちに指示できれば、もっと良かったです。指示を出しつつ、やってもらうというのはとても難しく、当たり前ですが自分たちでやった方が楽にはなるわけです。ですが、それでは全く意味がないのです。新1年生にとっては、何もわからない状態だったので、もっと自分たちがサポートできれば、手持無沙汰な状態もなくなるし、楽しんでもらえる場面も増えたと感じます。今回のキャンプで得た反省点は、4月下旬に全部員で行われる、新入生歓迎会キャンプで企画の中で活かしたいと思いました。

文 責
部 長 奥冨碧 織田陽大
副部長 岡部雅宗    
外 務 大島慧斗    
書記記録 佐々木翔太、福永真詞