JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告

JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告

高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からコロナ禍のアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。今回は、同校ハンドクラフト部と共に、藤野芸術の家へ訪問したレポートをお届けする。

私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生12名、高校2年生16名の計28名で活動しています。いよいよ9月から幹部は1年生に交代して、新体制での活動になりました。2年生は残り半年間、引継ぎとしてサポートに回り、1年生の育成にあたります。今回は、藤野芸術の家キャンプ場へ訪問させていただいた。工房体験もできるキャンプ場であったが、今回特筆すべきは、参加者全員がキャンプ初挑戦ということだろう。準備から片付けまでが初めてのことだらけの中で、どのようなことを思ったのか。皆様にも、初めてキャンプを行った「あの頃」があったのではないだろうか。私の初めてのキャンプは7歳、家族で行った秩父・大滝を思い出す。生徒を見て、「初めてキャンプに行った日」を懐かしく思ったものである。皆様も、「初めてのキャンプ」を思い出しながら、微笑ましく読んでいただければ幸いである。

 


藤野芸術の家キャンプ場でのはじめてのキャンプ

武蔵越生高等学校 アウトドア部
顧問 坂本皓正(公認オートキャンプインストラクター)
部長 高等学校1年1組 今村美月

~何をしていいか分からない……~

私たちは、今回が初めての宿泊キャンプだったため、何をどのように準備すればよいのか、何から準備すればいいのか全く分かりませんでした。今回、藤野芸術の家に行くにあたり、「工芸体験×キャンプ」という1つのコンセプトのもと、必要なものを準備することになりました。

食事の準備では、いつ何をどのくらい食べるのか(同行するハンドクラフト部のことも)考えながら、買い出しに行く材料や、その予算の計画を立てました。(※ハンドクラフト部は現地の宿泊所に泊まったため、夕食時に合流しました)
道具の準備では、何が必要かをキャンプの経験がある部員の子たちに聞きながら準備を進めました(この部員の行ったキャンプ場の記事は、 https://www.autocamp.or.jp/post-14588/になります)。総じて、「準備段階で、当日何ができるかが決まる」というアドバイスも貰っていたので、不足がないように、3人で注意しながら進めました。
どのくらいの規模のキャンプをするかにもよるかとは思いますが、キャンプをするのは準備の段階からこんなにも大変なんだという事を知りました。

「たった3人分+先生だけなのにこの量…!?」と驚きました!(@_@;)

~工芸体験×キャンプ~

藤野芸術の家の本館には、廊下の壁にいろいろな種類の動物や鳥たちの写真が飾ってあり、そこを歩くと天井にあるスピーカーからそれらの鳴き声や水の流れる音が聞こえ、とても自然を感じる事ができました。
また、床にも面白い工夫がなされており、歩くたびにブロック状の木同士がぶつかりあってカタッコトッとなんだか心地の良い音がして、思わずその場を駆け回ってしまいました。他にも引いたり押したりするとバネなどの音がするタンスがあり私達は時間を忘れてしまうくらい夢中になってしまいました。工房の椅子や机もほとんどが木でできており自然を大事にしているのが伝わりました。

藤野芸術の家

キャンプでは、まずテントを立てるところから始まりました。
私達は初めてのキャンプで、テントをどのように立てたらいいのかわからず、顧問の先生にしつこいほどたくさんの質問をしてしまいました(笑) デイキャンプでは設営をちょっと手伝うくらいしかしなかったのが少し悔やまれます。バランスよくテントをたてるのも難しく、テントを立てる順番を間違えてしまい、何回もやり直しをしたのでかなりの時間がかかってしまいました。また、思っていたよりもテントが大きくて女子三人だけで立てるのは簡単なことではありませんでした。ハンドクラフト部のみなさんにも手伝ってもらいながら、初心者7人で頑張りました!

準備だけでもとても大変でしたが、皆で協力して立て終えたあとの達成感は忘れられない思い出になりました。

1日目の夜は、ハンドクラフト部の方々と一緒にバーベキューをしました。
前々から何を買うか、どのくらいの量を買うか、予算をどのくらいにするかを決めておき前日に買い出しに行きました。量をたくさん買うなら業務スーパー、それほどの量が必要でないなら普通のスーパーで買ったほうが安いのでは…??皆であれこれ考えながら、なんとか予算内に収めることが出来ました。野外炊事はあまり経験がありませんでしたが、こうして外でみんなで作って食べて、楽しいひと時を過ごすことができました。普段知ることができないみんなの一面も知ることができる時間でした。

お風呂に入った後は、少し夜風にあたりました。9月上旬の相模原の夜は涼しく、少し外で涼むくらいがちょうどよかったです。

2日目は朝から先生がフレンチトーストを作ってくれました。私達が起きたときにはバターのいい匂いがして幸せな気分でした。フレンチトーストと紅茶という優雅な朝ごはんが食べれてとても良かったです。さすが元コックさんの先生、味もとても良かったです。1日目の夜に作ったポトフの残りも味が染み込み具材も柔らかくなっていて、いい感じに美味しくなっていました。肌寒い朝でしたが体が温まりました。

朝ごはんのあと七時半くらいからテント等の片付けをしました。朝早くということもあって夜露でテントが濡れていたり、体がまだ起きていなくて、なかなか片付けの作業効率が悪かったように感じました。ですが、キャンプはやったら片付けもしっかり!というのは常日頃から言われていたので、「来た時よりも綺麗に」を心掛けて片付けを行いました。そのせいで、工房体験には少し遅れてしまいましたが、立つ鳥跡を濁さず、撤収作業ができました。

学校に戻ってから荷物を車からおろして、濡れてしまっていたテントを干しました。濡れていたせいもあってテントがすごく重かったです。キャンプの疲れもあってか準備よりも片付けのほうが大変に感じました。

~はじめてのこと~

今回のキャンプは全員がキャンプ初心者で、まず何をどう準備したらいいかわからない、テントの立て方がわからない、道具の使い方がわからないなど、自分たちでキャンプをすることの大変さを痛感しました。しかし、わからないことが多いなかで自分たちなりに考え、先生に聞いたりして、協力して1泊2日のキャンプを無事に終わらせることができたのは、今後のアウトドア部で活動していくにあたってはとても大きな成長だと思います。たったの1泊2日ではありましたが他の子との距離も縮まっていい思い出になりました。今回の経験を今後に繋げて、次回は今回よりももっとスムーズに、効率よく作業を進められるように、そしてもっともっと楽しいキャンプができたらいいと思いました。

次は10月末の、第14回JAC関東の集いにも参加させていただく予定です。今回の経験を忘れずに、準備を進めていきます!
たまには自然を感じながら工房体験&キャンプをしてみてはいかがでしょうか??
藤野芸術の家は、木工、陶芸、ガラス細工などの工芸体験も可能なキャンプ場です。たまには、キャンプ場で一味違う体験をしてみたい人にオススメです!

文責・参加者
2年 杉本唯 瀬川なつみ
1年 阿部真奈


報告:坂本皓正
(公認オートキャンプインストラクター)