Campifyインタビュー

手ぶらキャンプサービス「Campify」インタビュー

「Campify」を運営するFLY株式会社代表の木村隆司氏に、お話をうかがった。

Q1:まずはじめに、御社サービスの「Camipfy」について教えてもらえますか?

当社サービス「Camipfy」は利用者に予約したキャンプ場に来てチェックインいただくだけで、すぐにキャンプを楽しんでもらえるサービスです。食材だけ持ち込んでいただければ、区画サイトにはテントやタープはすでに設営されて、テーブルや椅子、焚き火台なども準備されています。利用者はすぐに焚き火に火を灯けてデッキチェアにもたれて寛ぐこともできれば、子供たちと一緒になって遊ぶこともできます。これまでのようにすぐに遊びに行ってしまう子どもを尻目にお父さんが犠牲になって慣れないテント設営に格闘する必要もありません。帰り支度に撤収作業もありませんので、チェックアウト時間までめいいっぱいキャンプ場の魅力を満喫することができます。

設営や撤収以外にも焚き火の起こし方が分からない、ランタンの灯し方が分からないなどの現地で困りごとが発生した場合にはスマホのLINEで相談すれば即座に対応する仕組みになっています。

https://campify.jp/

Q2:こちらのサービスをはじめるに至った経緯を教えてください。

以前に職場の仲間たちとキャンプへ行ったことがあったのですが、皆キャンプ初心者ばかりで、テントの設営などにかなり時間を取られてしまい「はじめてのキャンプ」があまりいい思い出を残せなかったことが、このサービスを思いつくきっかけでした。
遅い時間にキャンプ場に到着した際など暗がりの中でのテント設営はビギナーには酷な作業です。

幼少期に親に連れられてキャンプへ行って楽しんでいた思い出があったのですが、いざ自分が大人になってみると、想い描いていた「楽しいキャンプのワンシーン」がすぐに手に入る訳ではありませんでした。

当初はキャンプ用品のシェアリングサービスとして考えていました。皆が持っているキャンプ用品をアプリ上で貸したい人と借りたい人を繋げるサービスです。しかし調査をしていく中で、出品されてくるものは2軍の用品が多く、自分の中で1軍としてお気に入りのキャンプギアは日常的に使っていて出品されないので、魅力的なラインナップならず利用者も増えないのではと判断し断念しました。

同じ頃、某キャンプ用品メーカーが手ぶらキャンプサービス行っているのを見かけ、それにインスパイアされて今のサービスを原型を思いつきました。テント設営などは家族で子どもたちと一緒になって共同作業を行うプロセスなども含めてキャンプの醍醐味という考えもあますが、それらの作業を面倒だと感じやりたくない層は一定数存在します。そこにビジネスチャンスを見出しました。

約半年間の実証実験を通して仮説と検証を重ねノウハウを蓄積し、2019年3月に正式なサービスローンチに漕ぎつけました。

Q3:現在の状況に関して教えてください。

現在、関東を中心に10のキャンプ場と提携してさせていただいています。
利用者層としては50%がファミリー層で、残りの半分を若年と熟年のカップル層で分け合っています。
当社のサービスは一人当たり16,900円〜と決して安価でないため利用される方を選びます。そのためか提携しているキャンプ場からは、「Camppifyから申し込んでくる利用者層は、あまり手がかからず、安心できる」という評価をいただいています。
また、レンタル品の設営や撤収もすべて研修を受けた同社スタッフがキャンプ場まで伺って行うので、キャンプ場のスタッフに負担をかけることなく、レンタル品の破損も少なくよい状態を長く維持することに繋げられています。

テントはノルディスクとハイランダーから選べる

利用者にはビギナーばかりでなく、「ノルディスク」のテントを購入前の品定め目的で利用される方も多いという。同社スタッフがテント設営とその他の用品のセットに要する時間は約2時間。利用者は周辺観光やキャンプ場で楽しみにその時間を使えることになる。

Q4:今後はどのようなことを考えていますか?

現状のサービスの品質を維持しつつ、少しずつ提携キャンプ場を増やし、エリアを拡大していきたいと考えています。
また現状、食材は利用者の方に近くのスーパーやキャンプ場でBBQセットなど取り扱っていればそちらで調達していただいているのですが、今後は地元の食材を提供するようなサービスを検討していきたいです。
それから「手ぶらキャンプ」というとどうしても「初心者キャンパー」がメインの客層になるので、キャンプ慣れしてくると離れて行ってしまいます。そうならないためのリピート施策も考えています。


木村隆司(きむらりゅうじ)氏のプロフィール

FLY株式会社 代表取締役
大学卒業後楽天株式会社入社。
その後、自らの事業を行うために同社を退職し独立。
2019年よりFLY株式会社を設立、現在のサービス「Campify」をスタートさせる。現在4期目。

(インタビュー:日本オートキャンプ協会事務局 編集部)