キャンプ場インタビュー(閲覧:会員限定)

コロナ禍の現在、キャンプ場が現状をどのように考え、今後をどのように考えているのか。
多くのキャンプ場が閉鎖を余儀なくされる現状で、今回のコロナ禍で感じたこと、再開にむけてどのような状況を予想しているのかを聞いてみました。


キャンプ場のネットワーク重要性を実感

三重県(公設)
青川峡キャンピングパーク 支配人 柴田 篤氏
(取材:5月8日時点)

6月1日再開予定

キャンプ場では、現状(5月8日時点)、再開に向けて活動しているが、再開にあたってキャンプ場でできる取り組みはどのようなことがあるのか。またキャンプ場がこういう対策をしているということを利用者に示すことで、利用者に安心感を与えられると考える。またその一方で利用者に、今キャンプをすることでこうしたリスクがあるということを利用者に理解してもらった上で、キャンプを楽しんでもらうことが必要なのではないか。

 これからのことをスタッフとも話をしているが、その他三重県にはキャンプ場のネットワークがあり、近隣キャンプ場の方々とも情報交換をしている。日常でもそうだが、こうした緊急事態の際には特に他とのキャンプ場のつながりがあることで、様々な情報を入手することができ、今回のコロナ禍ではキャンプ場のつながり「ネットワーク」の重要性を強く感じた。

青川峡ホームページ


地元の理解が重要

福島県(公設)
羽鳥湖畔オートキャンプ場 社長 田代嘉宏氏
( 取材: 5月14日時点)

5月7日から再開

 キャンプ場はゴールデンウィーク明けの5月7日から再開した。例年であればゴールデンウィーク(GW)直後の週末はかなり少ないのだが、例年を上回る予約が入っている。特に直前予約の人が例年に比べて多かったようだ。GWの売り上げが「蒸発」してしまったがその売り上げを取り戻すことは難しいのではないかと考えている。

 「コロナ禍以前」は冬キャンプの人気もあり、キャンプ場も例年になく賑わっていた。これから、全国のキャンプ場が再開に向けて動きだすと思うが、すぐに以前のような環境に戻ることは難しいと予想している。キャンプ場はその特性から、他地域から利用者が多く、地元への影響が再開の大きなハードルになっていると思う。羽鳥湖畔オートキャンプ場は周辺に民家もなく、住宅地からかなり離れているので、地元への影響は少ないと考えるが、住宅地に近いキャンプ場程、地元の理解が重要になってくるのではないか。

羽鳥湖畔オートキャンプ場ホームページ


移動自粛がキャンプへ向かわせる

栃木県(私設)
サンタヒルズ 代表 中村郁夫氏
( 取材: 5月14日時点)

5月15日より再開予定

5月14日の政府の発表を確認してから、5月15日から県内利用者限定での再開を予定している。ウェブサイトに逐次情報を出しているので、これまでのキャンセルなどについても大きなトラブルはなく、15日の再開に向けて準備を進めている。

 キャンプ場が民家に近く、キャンプ場をオープンしてから20年以上経つが元々が地元の出身ではないので、営業していく上で地元の理解は必須になる。今回も地元との関係の重要さを改めて感じた。県内では、他地域ナンバーの車に傷かつけられる嫌がらせなどの事件も起きており、地元の理解を得られるよう運営していく。

 今回の緊急事態宣言による閉鎖については、キャンプ場は休業要請の対象とはなっておらず、そのため栃木県の休業補償の対象とはなかったが、栃木県には数多くのキャンプ場があり、例年栃木県のキャンプ場にはたくさんの利用者が訪れており、またキャンプ場で働くスタッフも少なくない等、栃木県の担当者に相談をしたところ、「新型コロナウイルス感染拡大防止協力金」の対象となったようだ。

 これまで社会のデジタル化の反動の一つとして、オートキャプが注目されてきたが、今回の移動自粛要請でも同じように、その反動から外に出かけたいというニーズは高まっていると見ている。こうしたニーズの高まりから、移動制限が解除された際には、多くの人がキャンプ場を訪れ、新規参入者も増えるのではないかと考えている。こうしたニーズの高まりに業界として新規参入者を増やす取り組みが必要なのではないか。

参考 「新型コロナウイルス感染拡大防止協力金について(Q&A)」ウェブサイトより

Q2-1-36)キャンプ場を運営していますが、協力金の対象となりますか。

A2-1-36)貸別荘、コテージ、オートキャンプ場は、宿泊施設又はテーマパークに類するため、協力金の対象となります。
http://www.pref.tochigi.lg.jp/f03/documents/kyoryokukinqa.pdf

サンタヒルズコロナのページ


コロナ禍の第2波にも備える

山梨県・静岡県 (私設) 
Foresters Village Kobitto 代表 鷹野好男氏 
( 取材: 5月15日時点)

6月1日再開予定

フォレスターズビレッジでは、山梨県北杜市の「南アルプスキャンプフィールド」に加え、この4月から静岡県富士宮市に「あさぎりキャンプフィールド」をオープンする予定だったが、コロナ禍により「南アルプス」はクローズとし、「朝霧」はオープン延長することとした。現在は6月1日の再開とオープンを予定している南アルプスの再開と、朝霧のオープンに向けて準備を進めている。南アルプスでは、この時間を使ってペット用サイトを造成中。

新たにオープンする「あさぎりキャンプフィールド」は大々的にオープンをPRする予定であったが、こうした時期なので大々的にはできなくなった。ただ新しいキャンプ場のオープンを楽しみにしている人もいるので、できる限りことをして行きたいと考えている。

 現在両キャンプ場とも、6月、7月は予約が入っており、現状としてはエリア限定で利用してもらう予定。6月、7月についてはこれまでの移動自粛の反動もあり、働き方なども変わることから、平日の利用も高くなるではないかと考えている。 一方で現在学校が休みになっている分、夏休み期間の短縮なども考えられ、8月は前半に集中してしまう可能性が高いのではないか。

 これまでは9月、10月、11月は、秋キャンプで多くの利用者が集まる時期だったが、マスコミでも取り上げられているように、コロナ禍の第2波が起こる可能性もある。今は6月の再開と、資金繰りなども含めたこの秋の対策を検討中。

Foresters Village Kobitto ホームページ


以上