キャンパー、キャンプ場の皆様への新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。
元日に発生した令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に心よりお悔み申し上げます。被災された方々が一日も早く以前の生活と仕事に戻れますよう、心よりお祈り申し上げます。
2019年末から世界中で猛威を奮った新型コロナウィルスも、昨年5月感染法上の分類で5類に移行したのに伴い、オートキャンプを含む野外レジャーは再び活況を取り戻しつつあります。
特にオートキャンプはコロナ禍にあって三密状態になりにくいレジャーとして広く認知され、それまでキャンプに興味がなかった人々の間でも関心と参加意欲が高まりました。
そして多くの個人や家族がキャンプ道具を買いそろえてキャンプするようになりました。
特に一人でキャンプする人が増え、「ソロキャンプ」という言葉が流行語ともなりました。ソロキャンパーは家族で混みあう週末を避けて平日にキャンプする傾向があり、そのためもあってキャンプ場の年間を通した稼働率は上がり、2022年には20.9パーセントと前年に続いて過去最高を更新しました。
その一方で、オートキャンプ参加人口は前年の750万人から650万人と100万人減少しました。野外活動を含むレジャー全般が回復した結果、オートキャンプの参加人口が相対的に減少したという面はたしかにありますが、根底には人口減少、とりわけ子育て世代の激減という現実があります。昨年7月、厚生労働省が3年ぶりに公表した「2022年国民生活基礎調査」によると、これまで圧倒的にオートキャンプの中核をなしていた子育て世帯は991万7000世帯と、調査を開始して以来初めて1000万世帯を下回りました。子育て世帯が全世帯に占める割合も、18.3%と初めて5分の1を下回りました。子育て世帯においても子供が「1人」だけの世帯が約半分を占めています。
この顕著な少子高齢化の動向の中で、キャンパーが1年間でキャンプ場に泊まった泊数は平均7.2泊で、前年より1泊増えました。
また、1年間にキャンプに行った回数も平均5.4回と、過去最高となりました。ここには、オートキャンプ参加人口は減少する一方、キャンパー一人当たりのキャンプ回数が増え、しかもより長くキャンプ場に滞在する傾向が現れています。
こうして見ると、1960年代の高度経済成長の真っただ中で誕生した日本のオートキャンプは、その誕生から半世紀余り、コロナ禍を経て新しい発展のステージを迎えているといえるでしょう。当協会としてもこの時代の流れに対応すべく、今年は対面による二つのメインイベントを計画しています。
第一に、2月27日、28日に東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで「キャンプ場未来創造会議2024」を開催します。2020年春を最後にオンラインのみで行われてきたキャンプ場経営研究会が、4年ぶりに名前も新たに100人規模で実施されます。全国有数のキャンプ場の経営者・従業員が一堂に会し、オートキャンプ場の現状の把握と未来の創造に向けて熱い議論を交わします。
第二に、11月8日、9日、10日に静岡県の竜洋海洋公園オートキャンプ場で第53回ジャパンキャンピングラリーを開催します。オートキャンプの全国大会は、2020年からJAC近畿、JAC北海道、JAC関東と支部によって受け継がれてきましたが、今年はJAC東海の主幹により実施されます。コロナ禍が明けて日本列島の真ん中で開催されるこの大会は、全国からオートキャンプ愛好家が集い交流するまたとない機会となることでしょう。
今年も、オートキャンプがより幅広い層の人々に浸透し、国民的レジャーとして発展するよう努めて参ります。
一般社団法人日本オートキャンプ協会
会長 明瀬 一裕