「東京キャンピングカーショー2020」

新型コロナウイルス感染症によって「新しい生活様式」が求められている今、あらためてキャンピングカーの有用性に注目が集まっている。
 そんな中、9月19~21日の3日間、幕張メッセで「東京キャンピングカーショー2020」が開催された。2月のジャパンキャンピングカーショー以来、キャンピングカーイベントの中止や延期が相次ぐ中、久々に開催されたビッグイベントとあって、多くのキャンピングカーファンが来場。新型コロナウイルス感染対策を整えた会場内には、100台以上の大小様々なキャンピングカーが展示され、どのブースでも展示車両を熱心に見学する来場者の姿が見られた。
キャンピングカーは、クルマの中に生活・就寝用の設備を備えた「動く家」。車内には、ゆったりと横になれるフラットなベッド、食事や休憩などに利用できる居住スペース、給排水設備を備えたシンクやキッチン、生活用電源のサブバッテリー、真冬でも快適に過ごせるFFヒーター、照明や冷蔵庫、トイレなどがそろっている。なかには、温水ボイラーやシャワーを完備した車両もあり、その利便性は家とほぼ変わらない。

リアダブルタイヤの安全性、キャブコンならではの居住性、独自の電源システムによる快適性の3拍子がそろったナッツRVの「クレア5.3Wエボリューション」。
A to Z社の「アミティ」は、マツダ・ボンゴトラックをベースにしたライトキャブコン。機動性抜群のコンパクトサイズながら、最大6名の就寝を可能にしている。
幌馬車のようなビジュアルが目を引く、M.Y.Sミスティックの「レジストロ」。軽トラックベースにキャンパーシェルをドッキングし、ゆとりの居住空間を確保した。

“クルマを止めた場所が家になる”キャンピングカーのメリットを活かせば、キャンプや旅行はもちろん、アウトドア・アクティビティや趣味のベース基地としても活用できる。新しい生活様式が求められる「WITHコロナ」時代においても、“移動可能なプライベート空間”であるキャンピングカーがあれば、新型コロナの感染リスクを回避しながら自由な旅を楽しむことが可能だ。
レジャー用途以外にも、キャンピングカーが役立つシチュエーションは多い。車内のACコンセントで、スマホやノートパソコンの充電、プリンター、スキャナーなどを使用でき、テーブルとソファで構成されたダイネットがデスクワークのスペースになる。キャンピングカーにノートパソコンを持ち込んでWi-Fi環境を整えれば、どんな場所でも快適なテレワークの拠点に早変わりする。

屋根が開くポップアップルーフタイプも人気。ケイワークス「オーロラ・エクスクルーシブ」は、ソーラー&大容量サブバッテリーでエアコン稼働を可能にしたモデル。
価格がお手ごろな軽キャンパーも人気のカテゴリー。ダイレクトカーズ「リトリートミニ」は、ウッディな内装でオシャレなアウトドアライフを演出できる1台。
キャンピングカーの世界では、エンジン停止時でもエアコンを使用できるシステムがスタンダードになりつつある。会場では、DC12V仕様の超小型クーラーの展示も。

 2019年には国内のキャンピングカー保有台数が11万9400台に達し、その需要はますます増え続けている。レジャーやホビーのベース基地、テレワークの拠点、災害時の避難シェルターなど、様々な用途で活用できるキャンピングカーの優位性を活かして、WITHコロナ時代を快適に乗り切ろう!


<執筆者プロフィール>

キャンピングカーライフ研究家/JAC公認インストラクター資格認定講習会講師
岩田一成(いわたかずなり)
1971年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て2003年にフリーのライター・エディターとして独立。キャンピングカーで家族と1000泊以上の旅をした経験を活かし、雑誌やWEBの記事執筆、トークショー、テレビ・ラジオ番組の出演など、様々な形でキャンピングカーの魅力を発信している。著書『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』(グラフィス)
http://www.iwata-kazunari.com/