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( 3 )  2014年(平成26年)10月15日第224号 本紙9月号7面で「国内初のキャンプは志賀直哉」と紹介したが、これは学習院の学生組織が発行している「輔仁会雑誌」に掲載されている。 1903年の11月号に「天幕行」として記されている。筆者は川村弘となっているが、この記事を里見弴の評伝。「里見弴伝」(中央公論社)では有島武郎の弟で画家の有島壬生馬とその兄里見弴の合作としている。 「天幕行」の中でキャンプの様子を次のように伝えている。 テントの設営の様子。多摩川べりに宿営地を決めた一行はテントを立て始める。「樹を切るもの、地を平らすもの、ピラミッドが築かれるのは中々労力です、特に吹きすさ 富士五湖エリアのアウトドア宿泊施設の運営や、コンサルティング、飲食店の運営などを手がける株式会社フジヤマ・クオリティは、山梨県富釜戸で沸した此湯です。讃を作って1人が唄いました。」自分たちで作った釜戸で湯を沸かすことに感動する。キャンパーなら誰しも一度は経験する感覚である。 朝の景色 「4時半頃目が醒めると一種藁の香が天幕に充ちておりました。勿論暗い。外に吊したランプがボンヤリと青い中に光って居る、出るには毛布がなくては寒い。不思議、東の空には嘗て見たことのない緑色の圓輪が美しく描かれて居りました。吾々の河に出て顔を洗う頃には、廣漠たる河原も灰色の流も再び覚めて、見る見る日に輝いてきました。」 時代が変わり、やり方や道具は変わっているものの、アウトドアで生活する感動は昔の人も今の人も変わらないのかも知れない。1903年多摩川のキャンプはこんな感じテントビラの全景夕食のBBQの食材共有のシェアリビングデッキんで来た力が、高さ一丈余、経二間の天幕を孕んで、鯨の鰭を振ると同様、重みの石を波のように打ち返しました。指の先を剥きながら、砂を掘って風と戦うな愉快は云うに云われない、無邪気な呼笑は、堤防の崩される度に起こりました」風「PICA 富士吉田」に新施設が登場ワンポールテントで快適なキャンプ士吉田市のアウトドア宿泊施設「PICA富士吉田」に、ベルキー製のワンポールテントでの宿泊が楽しめる「テントヴィラ」を新設した。ている。 8月からデッキの上に常設されたコットンキャンバスのワンポールテントは、快適な居心地を実現。室内はリビングスペースと寝室に分かれ、シングルベッドが2つ設置されている。3名以上で利用の場合は、エキストラマットを追加。蚊帳が吊られているので、虫に悩まされずに眠りにつくことができる。 夕食は、共有スペースとなる屋根付きシェアリビングデッキ(広さ約72㎡)で楽しむバーベキュー。陶製の食器やグラスで味わうアウトドア料理は格別だ。 バーベキューの食材は、甲州ワインビーフやフジザクラポーク、野菜などが用意される。テーブルや椅子、ガス式BBQグリル、皿、カトラリーセット、調理器具(ポットなど含む)、照明器具なども完備。まさに手ぶらでアウトドア気分を満喫することが可能となっている。に邪魔されながらもワイワイ楽しみながらテントを設営している様子が浮かぶ。 「吾々の食事が終わった頃にはモー微かな風の息かたるんだ布をわずかに動かす許りになって了ひました。吾々の食事!これもパンなのです、これでも缶詰なのです、夫れよりも歓喜の情にたへなかったのは流るる川水を汲み上げて、自分達の集めた柴を小石で築いた 「PICA富士吉田」は河口湖ICから車で約5分。富士山麓の森の中に、シンボルのツリーハウスやテント、キャンピングパオなど多彩な宿泊施設が揃っ 皆さんは今年、歴史的大ヒットを記録した映画「アナと雪の女王」はもうご覧になりましたか?この映画の主題歌「LetIt Go」は今回の大ヒットの要因の1つとも言われています。なかでも歌詞「ありのままの?」は多くの人々が共感し、口ずさんだのではないでしょうか。 私が暮らす白川村には世界文化遺産に指定されている荻町合掌集落が全国的にもよく知られていますが、実は「ありのままの」ブナの原生林が広がる大白川という場所があることは意外と知られていません。ここは白山国立公園のエリア内にあり、樹齢数百年というブナやミズナラなどの原生林をはじめ、手付かずの大自然が残っています。 またここには巨樹の森に囲まれた白山ブナの森キャンプ場もあります。近くには落差72mの「白水の滝」があり、その荘厳な姿は圧巻です。さらに、エメラルドグリーンに輝く白水湖も。 今年はこの湖の色合いが特に良く、この辺りのことをよく知る人たちの間では「10年に1度の鮮やかなエメラルドグリーンではないか」と囁かれています。 先日、東京から白川郷を訪れた友人家族を、大白川へご案内しました。友人の子供たちは大きなブナの木を見上げたり、迫力満点の白水の滝を眺めたりして喜んでいました。友人も白水湖の深い色を見て、「すごい!日本じゃないみたい!日本にこんな素敵な場所があったなんて!」と興奮気味に話してくれました。 こんな大白川エリアの入り口には大きなドロノキがあります。9月になると、このドロノキの実は熟してはじけ、中から白い綿毛のある小さな種子をだします。そして皆伐地や埋め立て地などの裸地を求めて、風に乗り遠くへ飛んでいきます。このドロノキの白い綿毛のある種子が空にたくさん飛んでいる姿はまさに幻想的です。まるでドロノキという雪の女王が季節を変えて、秋に雪を降らせているようです。 白川村と言えば、「世界遺産合掌集落」はもちろんですが、いつか白川村と言えば「大白川!」となると良いな?と思っております。ぜひ皆さんも一度、大白川へ足を運んでみてはいかがでしょうか?これからの季節はきっと、ドロノキの種子が舞い、幻想的な風景が皆さんを迎えてくれることでしょう!。エメラルドグリーンの白水湖トヨタ白川郷自然學校 インタープリター通信『ありのままの大自然へ出かけよう!』 第九回〈インタープリタープロフィール〉黒坂 真(くろさか・しん)神奈川県出身。トヨタ白川郷自然學校には2005年の開校当初より関わる。白川村に移り住んでから今年で10年目。白川村の豊かな自然や、魅力あふれる人々に惹かれ、村内にある築60年の古民家を購入。畑を耕したり庭の手入れなど、日々の暮らしづくりに楽しみを感じている。ちなみに昨年の9月に産まれた我が子には白川村の「結の精神」にかけ「結(ゆい)」と名付けた。思いやりあふれる子どもに育ってほしいと願っている。